FABRIC TOKYOで初の記者会見を実施し、複数の重大な発表を行いました。

D2C(Direct-to-Consumer) マジメな話
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9月26日、FABRIC TOKYOとして初めての記者会見(事業戦略発表会)を行いました。
※記者会見で使用したスライドはページ下部に。

最近、FABRIC TOKYOは「D2Cの会社だ」と言われることが多くなってきました。
ぼく個人としても、D2Cというビジネスモデル/戦略の有効性や将来性を強く信じている方なので、そう言われることに抵抗感は無くむしろ歓迎するべきことだと思っています。
しかし、ことFABRIC TOKYOで描く未来については、D2Cの枠に囚われないデジタル・テクノロジードリブンなブランド及びサービスになることを思い描いて日々経営に打ち込んでいるため、ハッキリと「我々はD2Cです」と言うことはできない自分がいました。

今回、D2Cの先へFABRIC TOKYOが進化する旨の発表を公にすることができ、社内の準備が整いようやく本格的に舵を切るタイミングになり感慨深く思っています。

まずは過去の実績の発表

まず、記者会見はFABRIC TOKYOの過去の実績の発表からスタートさせていただきました。

おかげさまで多くのお客さまに愛され、売上も昨年対比+200%を2期連続で達成しており、今期も約+200%の達成を見込んでいます。成長している要因としては、デジタルマーケティングの成功及び認知拡大によるパーソナルデータ獲得数の増加、店舗出店の加速、そしてリピーター顧客の増加です。
パーソナルデータ(体型サイズデータ、ライフスタイルデータ、趣味趣向データ等)の保有数は10万件を超え、今年に入って更に成長中です。パーソナルデータを活かし、顧客満足度も順調に向上し、年間リピート率が44.5%/年を超え、業界水準の1.5倍を記録しています。年間リピート率及びLTVは毎月成長し続けており、まだまだ伸びていくのかなと思っています。
顧客満足度とリピート率は、経営として最も大切にしているKPIの一つ。この数字が上昇しているのは、個人的には最も自信につながっています。

また、16店舗までに広がったリアル店舗も、出店したてでまだデータが出ていない店舗を除きすべて単月黒字化(店舗では売上が立たないので見なしベース)を達成済み。特にFABRIC TOKYOの人気店舗の一つである新宿店では坪単価売上は業界水準の3倍以上を記録し、今秋は更にそれを上回る予定となっています。

FABRIC TOKYO 2020年の挑戦

2020年に向けた新しいチャレンジとして、2つ発表しました。
一つは、2020年9月末までに店舗数を30店舗まで広げる店舗拡大プランです。全国の主要都市のディベロッパーにはすでに交渉をスタートしており、路面店含めてこの1年で約2倍の店舗数にしていく計画をしています。

また、FABRIC TOKYOの挑戦は国内だけに留まりません。すでに海外マーケットのリサーチに着手し、戦略立案をスタートしており、来年の早い段階では海外展開の計画を正式に発表する予定となっています。

ただ、ここまでの発表は、序章に過ぎません。
今回の記者会見を開いた目的は、ここからにあります。

D2Cの先へ進化。RaaS構想の発表へ。

冒頭で書いた、FABRIC TOKYOはD2Cの先へ進化するという取り組み。
D2Cの本質というのは、個人的には「小売のサービス化」だと捉えています。これまで小売は物を販売する物販でとどまっていたところ、デジタル&データドリブンで顧客とのエンゲージメントを保ち続けるためのサービス化を推し進めていく企業こそがこれからの時代に求められていくのだろうという考えがぼくにはあります。D2Cとは、インターネット時代におけるブランドの立ち上げ手法のこと。インターネット時代のブランドは物売りではなくサービス・プロバイダーであるということです。
つまり、「RetailがService化する」こと。「Retail as a Service」であること。略してRaaSの時代についに小売は突入したんだと言えます。

FABRIC TOKYOがD2CからRaaSの会社に進化していく様子をコンセプトムービーにしましたので、ぜひご覧ください。

動画の制作で意識したことは、FABRIC TOKYOはいくつもの業態の側面を持つ会社であるということです。よく「FABRIC TOKYOはD2Cだとはわかっているけど、結局アパレル企業なの?IT企業なの?」といった質問をいただくことがあります。そのたびに回答に詰まってしまう自分がいたのですが、最近では定義をする必要なんじゃないかなと思うようになってきています。

動画の中で紹介している通り、
・アパレルカンパニーであり
・エンジニアリングカンパニーであり
・小売カンパニーであり
・SaaSカンパニーであり(ここは後述)
・コンテンツカンパニーであり
・デザインカンパニーであり
・IoTカンパニーであり

これらを統合し、統合することでしか成し得ない唯一無二の顧客体験を創出するライフスタイルエクスペリエンスカンパニーであると言えます。

今回の記者会見ではFABRIC TOKYOが掲げる「RaaS構想」の全体像と、直近でローンチする3つのリリースを発表しました。

1つめは「サブスクリプションサービスのリリース」
2つめは「スマートファクトリーの発表」
3つめは「サーキュラー・エコノミー構想の発表」です。

FABRIC TOKYO初のサブスクリプションサービスのリリース

1つ目はFABRIC TOKYO初のサブスクリプションサービス「FABRIC TOKYO 100」のリリースです。
アパレルでサブスクをやると言うとファッションレンタルをよく想像されると思いますが、FABRIC TOKYOのサブスクサービスは例えるならAmazon Primeのようなサービスで、月額有料会員になれば、洋服の利用に関する様々なサービスが受けられます。
つまりFABRIC TOKYO 100は、FABRIC TOKYOでお買い物をしてくださるお客さまにとってプラスアルファの付加価値サービスを提供し、これまで以上にFABRIC TOKYOでのショッピング体験を楽しんでいただこうという趣旨のものです。
このまずは月額398円にて加入ができる洋服の様々な保証を受けられるプランからスタートし、順次拡大予定になります。

スマートファクトリーの発表

2つ目はスマートファクトリーの稼働開始です。
繊維産業の事業所数は1985年には66,174箇所あったのが2010年には15,902箇所まで減少し、今もなお減少し続けています。また従業者数も115万人いたのが今では30万人まで減りました。このような状況なため、なかなか繊維産業には人材が集まりづらく、また投資などの資金も集まらないためIT業務効率化が進みづらい現状があります。
そこで、FABRIC TOKYOが縫製工場や物流倉庫のIT化をプロデュースする事業をスタートします。事情があって場所を公表することができないのですが、西日本の某所にて1年以上かけて準備していたIT化されたスマートファクトリーが今月から稼働をスタートします。
具体的には、受発注管理システムの統合とCAD/CAMシステムの導入、そしてRFIDによる生産管理のデジタライゼーションを行うことで縫製工場の生産性を大幅に向上させる取り組みです。
今はサンプル品などを既に縫製開始している状況ですが、納期の短縮や縫製品質の向上など既に著しく成果が出ており、物流機能までITシステムによる統合範囲を広げることでまだまだ大きく改善幅が広がりそうで、これから非常に楽しみな取り組みになっています。

また、この仕組みを通じて、縫製工場内での生産の見える化で留まらず、納品待ちのお客さまへ生産過程をリアルタイムでレポーティングする仕組みにできると、待つことすらも楽しく感じていただける素敵な体験を作れるんじゃないかと模索しています。つくり手も、お客さまが楽しみにして待っていることがわかるようになれば、これまでは遠かったつくり手とつかい手の距離をぐっと縮めることができるようになるのではないかと考えています。
このような人にフォーカスした取り組みを行うことで、仕事のやり甲斐やモチベーション向上に繋げることができれば、減少傾向にある繊維事業者を少しでも支えられる一助になれるかもしれません。

洋服がインターネットに繋がる「コネクテッドアパレル」の提供へ

そして、個人的にいま想いを持って取り組んでいることが上記のコネクテッドアパレルの開発です。
これまでの洋服はデータ・情報を持っていませんでした。そのため、クローゼットの中に掛けてある洋服がどんなものなのか、ブランドタグと洗濯タグのみでしか判断ができず、特にスーツやシャツなんかは極端で見た目は似たものが多いしどれが洗濯可能でどれがドライクリーニング可なのかわかりづらい。いつ買ったものなのかもわかりません。
そこでFABRIC TOKYOは、洋服をIoT化します。つまり洋服をインターネットに繋げるのです。RFIDタグを全ての洋服に付け、スマートフォンで読み込むとその洋服個体に関するあらゆる情報が見れるようにしていきます。
RFIDタグを洋服に付けているアパレルブランドは増えていますが、多くが在庫管理に使用するものであって、顧客UXの向上に利用しているブランドはほとんどありませんし、やっているところも商品情報の表示をする程度に留まっています。
FABRIC TOKYOのコネクテッドアパレルは、洋服のサイズ、生地の特徴、お手入れ方法やお手入れグッズ、耐久年数、オススメのコーディネート・スタイリングなどあらゆる情報をRFIDタグを通じてインターネットに接続し、提供します。いよいよ、洋服がインターネットに繋がるIoT時代がやってくる中で、コネクテッドアパレル分野でもFABRIC TOKYOは世界を牽引していきます。

サーキュラー・エコノミー構想の発表

3つ目はサーキュラー・エコノミー構想の発表です。
ファッション産業と地球環境の保護は密接に関わっており、例えば世界のコットンの主要産地であるインドの綿農家の平均寿命は35歳で、農薬による自殺や児童労働の問題などが後を絶ちません。また、世界の汚水の20%、二酸化炭素の10%がアパレル産業から排出されていると言われています。しかしその一方で9,200万トン(数にすると約3,000億着分)の洋服が毎年世界で廃棄されています。つまり、作ることで地球を汚しているにも関わらず、大量に捨てているのです。
我々は、無駄なものはつくってはいけないし、廃棄を減らさなければいけないのです。

そこで、FABRIC TOKYOではサーキュラー・エコノミー構想を打ち出しました。9月26日より、FABRIC TOKYOの全店舗でお客さまがもう着ないと感じる不要な洋服の回収をスタートしました。FABRIC TOKYO以外の洋服でも持ち込んでいただき大丈夫です。(今はビジネスウェアのみです)持ち込んでいただいたお客さまには3,000円分のUPCYCLEポイントも付与させていただきます。
この回収した洋服を日本環境設計さんと協業してUPCYCLEし、循環型素材にしていきます。(UPCYCLE:廃棄物をそのまま再利用するのではなく、商品としての価値を高めるような再生・加工を行うことです。)
来年の初頭にはUPCYCLEされたポリエステル素材の商品をFABRIC TOKYOでリリースしサーキュラー・エコノミーが本格始動します。来年度中にはすべての梱包資材を循環型素材に切り替えていき、コットン・ウール商品のリリースも行い、2023年以降はすべての洋服をサステナブル素材へ切り替えるという目標も、経営レベルで取り組むという決定をしました。

おそらくこのブログを見てくださっている方の中でも、洋服を廃棄することへの躊躇がある方もいらっしゃると思います。ぼくもその一人です。なんだか愛着があるものは捨てづらいし、地球環境にも良くないことをしていると思い、躊躇してしまうんです。しかし廃棄せず、UPCYCLEという形で新たな素材として再生することで、新たに作ることを減らし無駄を増やさない、そんな取り組みになるので、ぜひ回収サービスを利用いただけたらと思っています。


後半は丸井グループ青井社長を招きトークセッションへ

記者会見の後半は、丸井グループ青井社長を招き、小売の未来や丸井グループとFABRIC TOKYOの資本業務提携の経緯や狙いについて話すトークセッション。モデレーターは日本を代表するデザイン・イノベーション・ファームTakramディレクターの佐々木さんに務めていただきました。
トークセッションの内容はWWDさんが文字起こしをしてくださっているので、ぜひそちらをご覧ください。

“売らないお店”作りを進める丸井とファブリック トウキョウが見据える「未来の小売りの在り方」 | WWD JAPAN.com
丸井グループ青井社長を交えたトークセッション
モデレーターを務めていただいたTakramディレクター佐々木さん
丸井グループの考える小売の未来について語る青井社長
あっという間の30分間でした
記者会見の準備をしてくれたマーケティングチーム

今回発表した通り、FABRIC TOKYOではD2C事業だけでなく、その周辺に広がる数多くのサービスづくりに取り組んでいます。

「FABRIC TOKYO」では一緒に働く仲間を、ほぼ全ての部門で募集しています。
FABRIC TOKYOのビジョンに共感いただける方、またRaaSやD2Cに興味がある人は、ぜひ気軽にご連絡ください。まずはカジュアルな面談からも可能ですので本当にお気軽に。
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Yuichiro Mori 森 雄一郎 FABRIC TOKYO (@yuichiroM) | Twitter


記者発表会 全スライド

https://www.youtube.com/watch?v=pQLQnt-iKO8
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