時代に必要とされているのは”サッカー型組織”だ

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※本文は書き手森雄一郎がライフスタイルデザイン社内向けに書いている社内ブログ通称「ミライノート」内容を一部抜粋して掲載しています。

先週ライフスタイルデザインでは、経営戦略・中期計画の発表会を行いました。
発表会の様子はすべて動画で撮影していて、コーディネーター(弊社ではショップスタッフのことをコーディネーターと呼んでいます)の多くが参加できていないので、動画を見てしっかりインプットするようお願いしています。

今回の中期計画で最も尺を取った内容は、「ヴィジョン」「自己規程」「価値基準」を改めて設定し、全体に共有することでした。
以下になります。

▼ビジョン
だれもが自分らしいライフスタイルを自由にデザインできるオープンな社会をつくる

▼自己規程
自分らしいビジネスウェアを通じて
働く楽しさを届けるオープンなプラットフォーム

▼価値基準
Vision Driven
いつもビジョンを軸に考えます。今に最適化するのではなく、未来のあるべき姿を描き、自分たちの手でそれを実現します。

Always Why, Always Run
常に考え続け、常に行動し続けます。絶え間ない問題解決の繰り返しによって事業の成長に貢献し、自分自身も成長し続けます。

All for One
メンバー全員の力を結集して最高の事業を創ります。自分や自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します。

これらは創業者であるぼくの想いや経営メンバーの生い立ち・経験、各社員の入社動機などから策定したもので、うちの会社の最終目標です。
例えば、大企業や一般企業のしがらみや、既存業界の凝り固まった既成概念を問題視して、もっとオープンな環境を求めてうちに来たメンバーや、大きな夢を持ちたい、自分らしくありたい、など願うメンバーが、自分たちが働くことを通して、人生で成し遂げたいという想いも内包しています。
つまり、会社のビジョンとすべてのメンバーのビジョンは密接に絡み合っていて、会社のビジョンを達成する課程で、みんなのビジョンも叶うようなものとなりました。

去年の年末から3月まで数ヶ月かかりましたが、こんなにも夢があって他社にはない素晴らしいビジョンを作ることができて、本当にうちはメンバーに恵まれているし、とても面倒でも採用にこだわってきたのは本当によかった、、と改めて実感。。。くぅぅ

次に、自己規程というのは、弓矢で例えるとすると、ビジョンが的だとすると、自己規程というのは矢。つまりビジョンを捕えるための手段。うちは洋服を売る会社では決して無く、ビジネスウェアという洋服を通して「働く楽しさを探求している企業」としました。
オープンなプラットフォームというのはまだまだ実感がわかないと思いますが、既存のクローズドなアパレル生産背景の真逆を行き、生産課程を透明化します。複雑だった流通構造をシンプル化します。そして割りを食っていたお客さまに適正価格で製品を届け、お客さま・取引先・うちの三方良しの関係を作ります。それがオープンなプラットフォーム。
たぶん5年後には、ライフスタイルデザインは日本で最も網羅性が高く、一番信頼性のある生産者情報のデータベースを持つ会社になっていることでしょう。うちはアパレルブランドでも、ECサイトでも、小売店でもありません。世の人々のためのプラットフォームを創造します。
(皆さんもいろいろ書類を書くときに「小売業」と書かないでくださいね。笑)

最近、ストックオプションの説明会をしていて、よくみんなに「会社は誰のものだとおもう?」と聞いていますが、ぼくの考えを結論から言えば誰のものでもないし、逆に関わる人みんなのものでもある、とも考えます。少なくとも誰か個人のものではないし、創業者の僕のものでは決してない。
そう、だから、よくドラマや小説などで見る「これは俺の会社だ!」という経営者には違和感を覚えるし、「自分の城を築きたい」という、いつか起業したいという人には愛想尽きます。(だからそういう人の起業相談はなるべく乗らないようにしてる)

なんでこういうことを書くのかというと、みんな会社や上司のために働いてはならないからです。役職というのはただの役割分担。それぞれ、マネージャーはマネージャーという役割なだけ、部長は部長という役割なだけ、ぼくは代表取締役という役割なだけです。(だからぼくは「社長」と呼ばれることを嫌います。)

会社は大きくなってくるとどうしてもピラミッド型の組織になります。そこで必要なのが役割ということです。これは、上下関係ではありません。フラットな組織、というのは聞こえは良いけど偉業を成し遂げた組織でそんな例は一つもなく、ピラミッド型組織がベースとなります。(フラットな人間関係であるというのは素晴らしい組織だと思います)
みんな自分のビジョンを持って生きてもらいたいです。そしてうちの会社には、それを叶える環境があるのではないかということを願ってやみません。

さて、最後に価値基準について。
これまでも行動指針というものがなんとなくありましたが、今回解明し、改めて3つ策定したのには2つの理由があります。

理由1. 日々各メンバーの職務において裁量を発揮する土台が必要だったから。
理由2. うちにしかない文化・風土は、それだけで強い競争優位性になるから。

「成果無きところに自由非ず。」
自由を得る最良の方法は、責任を自ら負うことです。その際にイチイチ上司や他部署の許可を得ていてはスピードが遅く獲物を取り逃がしてしまいます。これ、大企業に非常に多いことだと思いませんか。
例えるなら大企業は「野球型組織」。野球はすごく管理されたスポーツで、先攻後攻や打順が決まっていて、自分が何番目に打つのかがわかる。ポジションも固定的で、ピッチャーがキャッチャーをやることはまずない。 そして、一球ごとに監督がサインを出して、選手たちをコントロールすることができる。監督の采配がゲームに及ぼす影響が非常に強いスポーツです。このやり方は、今までの時代なら通用しました。

一方で、うちの会社が目指すべきは「サッカー型組織」。ポジションはあれど、選手は縦横無尽にグラウンドを駆け巡り、時には右サイドと左サイドが入れ替わる、センターバックやゴールキーパーがゴールを狙っても良い、そういうスポーツです。監督がコントロールできるところは限られていて、その分選手ひとりひとりとチーム全体のコンビネーションが試合の勝敗を分けるスポーツです。

うちの会社の経営の方針は「経営とは、社員を管理することだ」という考え方を捨てる、です。メンバーひとりひとりがリーダーであることが求められています。(他のベンチャーに比べ、ストックオプションを全メンバーに配っているのはその一環です)
理由1により価値基準が大切なのは明白でしょう。

理由2の文化・風土に関しては、また別の機会で話せたらと思います!

ではでは。

2017年4月17日
森 雄一郎